樹脂圧力計測システム
導入メリット
1. 成形品の不良検出
基準波形に対して監視枠を設定することができます。ショートショットなどにより監視枠から外れた場合に検出し、アラーム信号を出力することが可能です。
不良品検出後の対処事例
- ・ 不良品の連続成形を防止(成形機を停止)
- ・ 不良品の自動排出(取出機と連携して不良箱へ排出)
2. 異なる環境下での成形条件の設定を効率化
良品成形時の波形(基準波形)を保存しておくことで、異なる環境下で成形を開始する際にもその基準波形に合わせることができ、効率的に同等品質の成形品を生産することが可能です。
環境変化の事例
- ・ 海外へ量産移管したとき
- ・ 成形機、付帯設備を変更するとき(メーカ・能力など)
- ・ 気温が変化したとき
3. 金型の出来栄え評価
樹脂が圧力センサに到達するまでの経過時間と圧力値を分析することにより、金型の出来栄えを評価することが可能です。
評価事例
- ・ ランナバランス、ゲートバランスの評価
- ・ ランナ、ゲート修正後の評価
- ・ 離型抵抗の評価(抜き勾配の評価)
4. 圧力波形と成形不良の相関確認
良品成形時の波形(基準波形)と、発生した各成形不良の波形を分析・比較することで、それぞれの相関関係を確認することができます。
圧力波形から読み取れる不良事例
- ・ 充填時の波形
上昇 → バリ・オーバーパック
低下 → ショートショット・ひけ - ・ 突き出し時の波形
大 → 離型抵抗が大きい
小 → 離型抵抗が小さい
- ・ 充填時の波形
特徴
圧力センサで計測した金型内の樹脂圧力を専用の計測ソフトで波形としてリアルタイムに表示することが可能です。良品成形時の波形を「基準波形」として保存しておけば、異なる環境下で成形を開始する際の条件出しに活用できます。また、基準波形に監視枠を設定することで、ショートショットやバリなどの成形不良が発生した場合に監視枠から外れた波形を自動的に検出し、アラーム信号を出力することができます。
これにより、不良品の連続成形を防止したり、取出機と連携させて不良品を自動的に不良箱へ排出することが可能です。そのため、量産成形時の不良監視において高い効果を発揮します。
また、圧力センサを射出成形監視システム「MVS08」と接続することで、樹脂圧力に加え、樹脂温度、金型温度、型開きも同時に計測することが可能です。
センサの設置位置による計測波形の違い
計測波形に監視枠を設定
計測原理
金型に組み込まれた圧力センサは、キャビティ内を流動する樹脂の圧力をエジェクタピンを介して受け取り、内蔵された歪(ひずみ)ゲージで検出し、電気信号として出力します。出力された電気信号は計測用アンプで演算処理が行われ、その演算結果は専用の計測ソフトによって圧力波形として表示されます。
無負荷時と加圧時のセンサ内部
センサが受ける樹脂の力
計測アンプとセンサの種類
圧力計測アンプ MPS08B
- スタンドアロンで、監視・アラーム出力・計測データの記録が可能
- 計測データをUSBメモリに保存可能
- 4台までアンプを連結し、最大32チャンネルまで同時計測が可能(1台8チャンネル)
- 計測ソフトウェア上で日本語・英語・韓国語・簡体字・繁体字に言語切替が可能
- RS485インターフェース搭載でMODBUS通信プロトコルに対応
インライン用圧力計測ユニット
MPS01A- インライン(量産成形)用の低価格タイプ
- 多忙な量産現場でも見やすいデジタル表示
- RS485通信規格に対応し遠隔監視が可能
圧力センサ エジェクタピン形
SSEシリーズ- エジェクタピン形状なので、既存のエジェクタピンと差換えが可能(※2)
- 金型に合わせてピン部の切断が可能
- ピン部の全長を任意に指定可能
※1 圧力計測アンプMPS08Bとの組合せが必要になります
※2 ツバカット等の廻り止め加工はできません。圧力センサ ボタン形 SSBシリーズ
- エジェクタピン直下に配置して計測するため、使用中のエジェクタピンをそのまま利用可能
- エジェクタピン形では対応できない、「小径ピン」「角ピン」「先端部異形状ピン」「ツバカットピン」にも対応可能
- 定格容量が50Nから16kNまでバリエーションが豊富
- 金型温度200℃まで対応可能な耐熱仕様のラインナップ
※1 圧力計測アンプMPS08Bとの
組合せが必要になります。圧力センサ ボタン形 配線収納形
SCBシリーズ- 配線収納形中継ボックス内へケーブルの収納が可能(ケーブル断線リスク軽減)
- 推奨測定範囲5~10N(定格容量10N)の低圧領域に対応の幅3.5mm、ピン径Φ0.3~1.0mmの低容量タイプをラインアップ
- 金型温度200℃まで対応可能な耐熱仕様のラインナップあり
- ※1 圧力計測アンプMPS08Bとの組合せが必要になります。
- ・直接式圧力センサは、「射出成形監視システム」よりご覧ください
- ・複数台の金型内圧力情報を、一括管理できるクラウドサービスは「MMS Cloud」よりご覧ください
製品の詳細情報につきましては、下記リンクより資料をダウンロードいただき、ご確認ください
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