樹脂圧力計測システム
圧力計測アンプMPS08Bについて
- Q1. 耐ノイズ性が向上したというのは具体的にどういったメリットがあるのか?
A1. 電子機器等の周辺機器が発生する電磁ノイズによる圧力計測アンプや圧力センサへの影響と誤動作を防止します。これにより安定した計測データが取得できるため、トレーサビリティ管理の強化にも繋がります。
- Q2. アンプを複数台連結して32ch同時計測可能とあるが、連結の方法は?
A2. 別売のアンプ間通信ケーブルを用いて連結します。中継ボックス、中継ケーブルも合わせて必要となります。(ケーブル品名:WCM0010-R6P-R6P N-MPS08B カタログP.31)
- Q3. PCに取り込まれた波形データを編集することは可能か?
A3. 接続されたPC内にCSVファイルで保存されますので、グラフ化が可能となります。
- Q4. LANポートがあるがどのように使用するのか? また無線LAN接続は可能か?
A4. アンプとPCとはLANケーブルにて直接接続します。高速通信を行うためにLAN接続としています。但し、無線LANによる接続は不可となります。
- Q5. 取得したデータの容量はどの位になるのか?
A5. サンプリング速度と計測時間により波形データの容量が違います。
下表を参考にしてください。
- Q6. パソコンの容量が無くなった時の動作はどうなるのか?
A6. 計測画面上で圧力波形は表示されますが、ハードディスク容量が設定した空き容量未満になると、計測画面上の「ディスク空き容量」の表示が赤に変わり、データを保存する事ができなくなります。こまめにデータの移動をしていただくようお願いいたします。
- Q7. 市販のLANケーブルを使用できるか?
A7. 使用できます(長さによってノイズの影響を受ける場合があります)。
- Q8. 成形機のモニタに波形を表示させることは可能か?
A8. 可能です。MPS08Bは、アナログ電圧も出力しますので、成形機にアナログ電圧を入力するインターフェースがあり、その値をモニタに表示させる機能があれば可能です。
- Q9. アンプへのトリガ信号入力は何のために必要か?
A9. データは成形サイクル1ショット単位で管理・監視しています。このスタートタイミングとしてトリガ信号を入力します。
また、温度ドリフトをキャンセルするため、同時にゼロリセットしています。
圧力センサ・エジェクタピン形について
- Q10. 従来センサ(EPSシリーズ)と新センサ(SSシリーズ)で仕様は違うか?
A10. センサのツバ径をφ5.7からφ6.0に変更しています。
また、耐ノイズ性を上げるためケーブルや結線を変えたため、コネクタ形式も異なります。
- Q11. センサの耐久性は?
A11. 繰り返し負荷試験=100万回以上(常温、80MPa、サイクル時間1.2秒、φ3の事例)
なお、使用条件等が影響する可能性があるため、耐久性の保証値ではありません。
- Q12. センサケーブル付け根の強度は?
A12. ケーブルをピンと垂直方向(図中A)に引く場合に破損する力=9.5kg以上。
- Q13. ピン先端の形状加工はできる?
A13. EP形圧力センサの場合、回り止め加工ができないため、形状加工はできません。ただし、ボタン形圧力センサならば、 既存ピンをそのまま使用しますので可能です。
- Q14. 離型抵抗(突出し力)は測定できる?
A14. 計測可能です。計測画面の突き出し時の波形から判断できます。
参 考突出し波形のピーク圧力(MPa)の値に圧力センサの受圧面積(mm2)を掛けると 突出しの力(N)になります。単位をkgfに換算するには0.102を乗じてください。
計 算 例突出しのピーク圧力:C = 20(Mpa)
圧力センサの直径:d = φ3(mm)
圧力センサの受圧面積:S = (3×3×π)/4=7.0686(mm2)
突出し力:P(N) = C×S=20×7.0686=141.4
141.4(N)×0.102=14.4(kgf)
- Q15. センサが断線しているか確認するには?
A15. テスター接続ケーブル(別売)にて、正常かどうかを簡易的に確認できます。
(テスター接続ケーブル品名:ATCS カタログP.31)
- Q16. ダイカスト成形での使用は可能か?
A16. 仕様範囲内の型内圧100MPa以下、金型温度150°C以下であれば計測可能です。
- Q17. 温度補償回路は組み込まれているか?
A17. 温度補償回路は特にありません。ケーブル部の温度、ケーブル長による抵抗値の変化を回路構成によりキャンセルします。
歪ゲージの温度ドリフトに関しては、トリガ信号入力時(計測開始時)のゼロセットでキャンセルします。
- Q18. センサを市販の計測アンプに接続して計測できるか?
A18. 弊社専用の仕様となっていますので、他の機器への接続および計測はできません。
圧力センサ・ボタン形について
- Q19. ボタン形圧力センサ選定の際、型内圧力はどのように想定すればよいのか?
A19. 経験的に射出ピーク圧力の半分以下となるケースが多いので、成形機側のデータを参考にしてください。
- Q20. センサケーブル付け根の強度は?
A20. ケーブルを垂直方向(図A)に引く場合に破損する力=9.5kg以上。
- Q21. エジェクタピンのツバ下面がセンサの突起に接触していれば圧力を計測できるのか?
A21. エジェクタピンとセンサの芯ズレがないように設置してください(±0.3mmを上限とする)。
- Q22. エジェクタピンに先端加工して斜面にした場合、受圧面積が変化するが圧力はどう計算するのか?
A22. 受圧面積は型開き方向への投影面積とし、φ1の丸ピンならば斜めカットしてもφ1で計算します。圧力は斜めカットした面に垂直方向に作用しますが、型開き方向の圧力に換算すると同じになります。計算式も同じで良いです。
例φ1の場合:受圧面積(mm2)×想定型内圧力(MPa)=0.79(mm2)×120MPa=94.8(N)
- Q23. センサの変位量は?
A23. 定格が負荷された時の最大変位量は0.02mmになります。
- Q24.センサの耐久性は?
A24. 繰り返し試験=1000万回以上(SSB01KN08×06:23°C、1200N、サイクル時間0.5秒の事例)
なお、使用条件等が影響する可能性があるため、耐久性の保証値ではありません。
新旧製品での互換性について
- Q25. 旧アンプ(EPA、EPC、EPV)と新センサ(SSシリーズ)を組合わせて使用できるか?
A25. 使用できません。
- Q26. 新アンプ(MPS08B)と旧センサ(EPSシリーズ)を組合わせて使用できるか?
A26. 変換アダプタ(別売)を接続して使用が可能です。ただし、CE適合は新センサ(SSシリーズ)との組合わせ時です。 (変換アダプタ品名:ACAE01 カタログP.31)
EPSシリーズ、SSシリーズ混在での計測はできません。
- Q27. 従来アンプ(EPA、EPC、EPV、MPS08)と従来センサ(EPSシリーズ)はいつまで販売するのか?
A27. 従来アンプは、在庫限りでの販売となります。従来センサは、当面継続販売いたします。
- Q28. ピン径によって測定値が違ってくるのか?
A28. EP形センサの場合、ピン径ごとに校正していますので、測定値が変わることはありません。また、ボタン形センサの場合、計測ソフトの設定画面にピン径を入力して対応しますので、測定値が変わることはありません。
よくある質問
- Q29. センサケーブルが切れた!
A29. 有償で修理いたします。修理可能かは切れた箇所によりますので、現物の確認をさせていただきます(最寄りの営業所まで連絡をお願いいたします)。
※修理可能な条件=センサツバ部から50mm以上で切断された場合。
- Q30. センサのコネクタを潰した!
A30. 有償で修理いたします(最寄りの営業所まで連絡をお願いいたします)。
- Q31. 計測画面に波形が表示されない!
A31. センサの断線、あるいはアンプとパソコンの通信ができていない可能性があります。センサの確認は、Q17を参照してください。通信不具合は、接続不良が考えられますので、ケーブルを一度抜いた後、再度接続してみてください。
- Q32. センサをどこに入れたら良いか判らない!
A32. どこに入れても圧力計測ができますが、ショート検知したい場合、ショート発生近傍に入れることを推奨します。
- Q33. ショートを検出したいがアラーム監視枠の閾(しきい)値が判らない!
A33. 取得したデータと製品の品質を付き合わせる必要があります。一つのやり方としては、安定成形で保存されたピークデータの最大値と最小値に対して、許容値を設け閾値を設定する方法があります。
- Q34. 理想的な圧力波形とは!
A34. センサの設置箇所により、同一金型内においても異なる波形になります。波形が安定して再現され、要求する品質を満たす波形が理想的と言えます。
- Q35.アンプのトリガー信号に電圧を入力してしまった!
A35. アンプに内蔵された電子部品の損傷に繋がります。無電圧有接点入力(リレーなど)に接続してください。アラーム解除信号も同様になります。
- Q36. 成形品の主な不良と圧力計測との関連性を知りたい!
A36. 下表を参考にしてください。
- Q37. 非直線性とは?
A37. 校正曲線が無負荷時の出力と定格負荷時の出力とを結ぶ直線との最大差を、定格に対する百分率で表した数値です。
- Q38. 感度変動とは?
A38. 使用温度の変化による感度の変化をいいます。1°Cあたりの変化率で表します。
その他
- Q39. 多言語版の取扱説明書はあるか?
A39. 英語版の取扱説明書があります。その他の言語は、今後作成予定です。
- Q40. 貸出し対応は従来通り可能か?
A40. 従来通り可能です(原則、2週間、1回のみとなります)。
- Q41. 計測ソフトの英語切替え機能とは?
A41. 計測ソフトの画面上で、ワンタッチ言語切替えできる機能です。現状は日本語と英語に対応しております。その他の言語は、今後作成予定です。
- Q42. CEマーキングとは何か?
A42. CEマーキングは、欧州連合(EU)地域に販売される指定の製品に貼付を義務付けられる基準適合マークのことで、「EU (EC)指令」の必須安全要求事項(ESRs:Essential Safety Requirements)に適合したことを示します。「CE」はフランス語の“Conformite Europeenne(”=英語:European Conformity)の略です。該当製品の製造業者(輸入者) または第三者認証機関が所定の適合性評価を行い、製品、包装、添付文書に付与し、CE マークキング表示のある製品は、 EU域内の自由な販売・流通が保証されます。製品によって、第三者認証機関(NB=Notified Body)の認証を受ける 場合と、自己宣言が認められる場合の2通りがあります。(日本貿易振興機構 JETROより)EU地域へ輸出する場合 以外では必要ありません。欧州規格に適合したということは、高い性能と安全性を証明していることになります。